デスクワーク脳疲労型の睡眠サイクルとは?
現代の多くの人は、一日の大半をパソコンやスマートフォンの前で過ごしています。特にデスクワーク中心の生活では、身体はほとんど動かさないのに、脳は常に情報処理と集中作業でフル稼働しています。
このような状態が続くと、睡眠の質やパターンが「デスクワーク脳疲労型」に偏ることがあります。
脳疲労と睡眠構造の関係
睡眠は大きく分けて3つのステージがあります。
- 深い睡眠 – 身体の修復や成長ホルモン分泌が行われる。
- 浅い睡眠 – 身体も脳も中程度に休んでいる状態。
- REM睡眠 – 記憶や感情の整理、学習の定着が行われる。
肉体的な疲労が強い場合は深い睡眠が多くなりますが、デスクワーク中心の生活では身体的疲労が少ないため、深い睡眠の割合は減少し、脳の情報処理に必要なREM睡眠と浅い睡眠が相対的に増える傾向があります。
デスクワーク脳疲労型の特徴
- 睡眠全体に占める深い睡眠の割合が少ない(10〜15%程度)
- 浅い睡眠やREMが多く、睡眠計測アプリでは「浅い睡眠が長い」と表示されやすい
- 朝スッキリ起きられる日もあるが、日によっては眠気やだるさが残る
- 寝ても寝ても頭が重い、集中力が戻りにくいことがある
これは脳が一晩かけて大量の情報の整理・統合を行っている証拠でもあります。
なぜ脳疲労が溜まるのか
- 長時間の画面凝視による眼精疲労
- マルチタスクや集中作業による前頭葉の酷使
- 座りっぱなしで血流が滞り、脳への酸素供給が低下
- 運動不足による自律神経バランスの乱れ
これらが積み重なると、夜になっても身体はあまり疲れていないのに、脳はヘトヘトという状態になります。
改善のためのアプローチ
- 日中の軽い運動を取り入れる
- 1日15〜20分のウォーキングやストレッチで血流と酸素供給を促進。
- これにより深い睡眠が増え、脳と身体の回復バランスが整う。
- 作業中の休憩ルールを作る
- 50分作業→5〜10分休憩のリズムを守る。
- 休憩中は画面から目を離し、遠くを見るか軽く体を動かす。
- 就寝前の脳のクールダウン
- スマホ・PCは寝る30分前にはオフに。
- 深呼吸や瞑想で交感神経を落ち着かせる。
- 睡眠のタイミングを固定する
- 就寝・起床時間を一定に保つことで、睡眠サイクルが安定しやすくなる。
まとめ
デスクワークでの疲れは、身体ではなく脳に集中して溜まります。そのため、睡眠の構造は肉体疲労型とは異なり、浅い睡眠やREM睡眠が多くなります。これは必ずしも「質の悪い睡眠」ではなく、脳の回復を優先した自然な反応です。
しかし、運動不足や長時間の座り姿勢が続くと、深い睡眠が不足し、全身の回復が追いつかなくなります。
日中に軽く体を動かし、脳と身体の両方をバランスよく疲れさせることが、睡眠の質を根本から改善する鍵です。
