ヒプノセラピー とは?

「催眠」と聞くと、ステージの上で人が自分の意思を失っているような映像を思い浮かべる方も多いかもしれません。けれど、治療として行うヒプノセラピー(催眠療法)は、それとはまったく違うものです。長年にわたり心身の不調の緩和や、感情的な滞りを解放するために使われてきた、穏やかで理にかなった手法です。

ヒプノセラピー、ヒプノシスって何?

催眠状態とはどんな状態?

催眠状態とは、実は誰もが日常的に体験している自然な意識状態です。運転していて、気がついたら目的地に着いていた ― 途中の記憶があいまい、ということはありませんか?本や映画に没頭して、周りの音が聞こえなくなっていたことは?そのとき、あなたは軽い催眠状態に入っています。

セッションでは、この状態を意図的に深めていきます。それによって、普段は前面に出ている「意識」が少し後ろに下がり、「無意識」が持つリソースにアクセスしやすくなります。無意識には、私たちの習慣的な反応、感情の記憶、深いところにある思い込みなどが眠っており ―― 同時に、そこには変化していく力も眠っています。

科学的な裏づけと心理学的背景

ヒプノセラピーは長年にわたり、心理学と臨床研究の分野で検証されてきました。

  • アメリカの精神科医 ミルトン・エリクソン(Milton H. Erickson)は、催眠を用いた心理療法の実践で知られ、数多くの臨床例を残しました。
  • 心理学者 アーネスト・ヒルガード(Ernest R. Hilgard)は、「意識の分離(divided consciousness)」理論を提唱し、催眠状態での心の働きを科学的に説明しました。
  • 近年の神経科学研究では、催眠状態で脳の前頭前野や注意ネットワークに変化が見られ、ストレスや痛みの認知が変化することも示されています。

これらの知見からも、ヒプノセラピーは単なる「不思議な体験」ではなく、科学的な裏づけを持つ心理療法であることがわかります。

ヒプノセラピーで期待できる効果

ヒプノセラピーは、さまざまな心理的・行動的課題に役立ちます。

安全性と安心について

ヒプノセラピーでは、クライアントが自分の意識と意思を常に保ったままセッションを進めます。セラピストが勝手に思考を操作したり、クライアントが望まない暗示をかけることはありません。

また、欧米では医療機関での臨床利用も進んでおり、初めての方でも安心して受けていただけます。

欧米ではすでに、がん患者の不安緩和や慢性痛のケアなどにも応用されています。つまりヒプノセラピーは、「気持ちを楽にする」だけではなく、人生全体の質(QOL)を高める方法といえます。

セッションはどのように進むか

ヒプノセラピーのセッションは、あなたを「眠らせる」ものではありません。むしろ逆で、あなたは意識を保ったまま、その場に存在し、自分自身のプロセスの主体でいられます。声によって深いリラックス状態へと導いていきますが、その間もずっと自由な状態が保たれます ―― 音は聞こえていますし、話すことも、反応することも、質問することもできます。

外側から答えを与えるのではなく、あなたがすでに持っている内側のリソースを引き出すお手伝いをするのが私の役割です。それは、あなたと、あなた自身の無意識との間で交わされる、繊細な対話のようなものです。

👉 セッションの流れをより詳しく知りたい方は、こちらのページもご覧ください:セッションの構造について →

複数の技法を組み合わせるINCEPTICA独自のアプローチ

私は「この悩みにはこの技法」というように、テーマごとに技法を使い分けているわけではありません。それぞれのセッションの中で、その方の状態や流れに応じて複数の技法を同時に、そして一体的に使っています。

これは即興ではなく、いくつもの補完的なアプローチを学び、実践を重ねてきたからこそできることです。テーマが何であっても ―― 不安であれ、トラウマであれ、自信の悩みであれ ―― 使う技法をあらかじめ固定するのではなく、その時々の反応を見ながら組み合わせを調整していきます。

私が主に用いている技法は、以下の5つです。

エリクソン催眠(Hypnose Ericksonienne)

Hypnose Ericksonienne Tours アメリカの精神科医ミルトン・エリクソン(Milton H. Erickson)の臨床から生まれた、現代的なヒプノセラピーの土台となる技法です。クラシックな催眠と違い、指示的ではなく、間接的な言葉やメタファーを使いながら、その人その人に合わせて柔軟に進めていくのが特徴です。私のセッションの多くは、このエリクソン催眠をベースにしています。 👉 エリクソン催眠について詳しく →

NLP(神経言語プログラミング)

PNL-Programmation Neuro-Linguistique思考、言葉、行動のパターンの中から、悩みを維持してしまっている部分を見つけ、書き換えていくための具体的な手法です。催眠と組み合わせることで、思い込みや制限的な信念に対して、より的確に働きかけることができます。 👉 PNLについて詳しく →

RITMO(EMDR+催眠)

EMDR et Hypnose1980年代にアメリカの心理学者フランシーン・シャピロ(Francine Shapiro)が発見した、トラウマ治療で知られるEMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)の原理に、催眠を組み合わせた技法です。左右交互の刺激を使いながら、感情的に「固まってしまった」記憶を、無理なく再処理していきます。 👉 RITMO(EMDR+催眠)について詳しく →

非言語催眠(Hypnose non-verbale)

Hypnose non-verbale, Mesmérisme-Magnétisme animale言葉に頼らず、リズムや声のトーン、呼吸、そして「その場にいる」という在り方そのものを使って、催眠状態へと導いていくアプローチです。言葉だけでは十分に表現しきれないときや、複数言語の間で揺れているときにも、特に力を発揮します。 👉 非言語催眠について詳しく →

Bodhypnosis(ボディヒプノシス)

Bodhypnosis - Hypnose corporelle体を入り口として、催眠状態へとアプローチする技法です。頭で考えすぎてしまい、なかなか手放せない方や、まず体の感覚から入りたい方に向いています。単独のセッションとしても、他の技法と組み合わせる形でも取り入れています。 👉 Bodhypnosisについて詳しく →

なぜこのアプローチを選ぶのか

薬に頼らない、自然な形のサポートであり、お子さまから大人の方まで、幅広い年代の方にご利用いただけます。

よくある質問

ヒプノセラピーは本当に効果があるのですか?

臨床の現場や観察の積み重ねから、不安の軽減、禁煙のサポート、慢性的な痛みの緩和、感情のコントロールの改善などに役立つことが多く報告されています。

いいえ。セッションの間、あなたはずっと意識を保っており、いつでも自分の意思で判断し、行動できます。

ほとんどの方が、催眠状態に入ることができます。大切なのは、ご本人の意欲と、プロセスへの積極的な関わりです。ヒプノセラピーは、一方的な操作ではなく、あなたとの共同作業です。

たったひとつの方法が、すべての方・すべての悩みに合うとは限らないからです。複数のアプローチを状況に応じて組み合わせることで、その場その場で最も効果的な形にセッションを調整できます。

悩みの内容や、お一人おひとりによって異なります。2〜3回のセッションで軽くなる場合もあれば、長く続いてきたテーマについては、数週間から数ヶ月にわたる継続的なサポートが必要になることもあります。

可能です。セキュリティが確保されたオンラインでのセッションも、対面のセッションと同じように効果が期待できます。ご自宅からリラックスして受けていただけます。

Hypnothérapeute Mari NAMBU

私は日本とフランスで心理学を学び、フランスで最初に設立された催眠療法の専門機関の一つである Ecole Centrale d’Hypnose Paris にて、国際的に知られるヒプノセラピスト、Dany Dan DEBEIX氏に師事しました。その後もフランス国内の複数の専門機関でさまざまなセラピー技法を学び、現在は催眠療法、心理学、神経科学などを統合したアプローチを行っています。

セラピストになる以前にも、さまざまな分野での職業経験を重ねてきました。こうした幅広い学びと経験を活かし、一つの理論や技法だけに当てはめるのではなく、お一人おひとりの状況を多角的に捉え、個性や背景に合わせたセラピーを大切にしています。

私の経歴、専門的なトレーニング、そしてセラピーで用いているさまざまなアプローチについて、詳しくはこちらをご覧ください。

Scroll

当サイトではクッキーを使用しています。 本サイトをご利用いただくことで、プライバシーポリシーと利用規約.に同意したものとみなされます。