家族療法(ファミリーセラピー) | 日仏家庭対応
困難な時期を迎えている家族が、必ずしも「危機にある家族」というわけではありません。多くの場合、それは家族の中の誰か一人、あるいは複数のメンバーが個々に抱えている傷つきが、家族というシステムの中で再演されている状態です。繰り返される緊張関係、すれ違い、あるいは子どもに見られるチックのような症状が、家族全体で起きていることの一部を映し出していることもあります。
家族へのサポートはどのように進むか
他の家族療法のアプローチとは異なり、このサポートは合同セッションを繰り返すことを前提としていません。関係する家族のメンバーそれぞれが個別にセッションを受け、自分自身の傷つきやパターンを見つめ、取り組んでいきます。多くの場合、そこにこそ最も持続的な変化が生まれ、それは家族全体のダイナミクスにも波及していきます。
こうした個別の取り組みが進むにつれて、家族の間により自然な理解が生まれ、家庭の空気も自然と和らいでいくことがよくあります。本当に必要だと判断された場合には、複数人でのセッションを行うことも可能ですが、それはあくまで例外であり、原則ではありません。
6歳以下のお子さんについては、実際のところ、この年齢で子どもだけのセッションを行うのは難しいのが実情です。そのため、子どもだけに焦点を当てるのではなく、並行して親御さんへのサポートを行うことをほぼ常にお勧めしています。特に幼いお子さんに見られる困難は、親のどちらかが抱えている緊張を、子どもが直感的に感じ取っていることに由来している場合が少なくありません。
INCEPTICAのアプローチ
家族のダイナミクスは、多くの場合、それぞれのメンバーが個人として抱えているものを浮き彫りにしている、という前提から出発します。本人がそれを意識していないことも少なくありません。そのため、家族全体のダイナミクスに取り組む前に、まずは関係する一人ひとりと個別に取り組むことを大切にしています。
家族の中で一人だけがより深い取り組みを必要としている、というケースも少なくありません。その方が前進するにつれて、残りの家族もその影響を自然に感じ取ることがあり、より少ないセッション回数で済む場合もあります。
子どもや思春期のお子さんに見られる症状 ― チックのような症状など ― が、その原因や持続要因の一部を家族のダイナミクスに持つ場合、このサポートは子どもへの個別の取り組みを補完するものとして、特に意味を持つことがあります。
料金は通常の個別セッションと同じ体系で、複数人でのセッションであっても変わりません。詳細は料金ページをご確認ください。
国際家族・異文化家族へのサポート
特に、異なる文化的背景を持つご家族の場合、コミュニケーションの難しさは、必ずしも「愛情の不足」や「相性の問題」から生じているとは限りません。同じ言葉や態度であっても、育った文化によって、その意味や受け取り方が大きく異なることがあります。
感情の表現方法、親子や夫婦間の距離感、家族に求められる役割、個人の自由に対する考え方、愛情の示し方、意見の対立への向き合い方―こうした違いは、普段は意識されていなくても、家族の関係の中で少しずつ摩擦を生むことがあります。
私は20年以上フランスで生活しており、日本とフランスという異なる文化の中で暮らす経験を重ねてきました。そのため、異文化の中で生活することで生じる「言葉では説明しにくい違い」や、同じ出来事に対する感じ方・考え方の違いについても、実体験を通して理解しています。
また、日本語・フランス語・英語でサポートすることができるため、ご家族の中に異なる言語圏の方がいらっしゃる場合にも、それぞれが自分にとって自然な言葉で気持ちを表現できるようサポートすることができます。
国際家族の場合、単純に「もっとコミュニケーションを取りましょう」と考えるだけでは解決できないことがあります。「相手はなぜそう受け取ったのか」「自分はなぜ、そこまで強く反応したのか」「そもそも家族の間で、同じ言葉を同じ意味で使っているのか」―こうした部分まで丁寧に見ていくことで、単なる言葉の行き違いなのか、それとも個人的な傷や価値観の違いが関係しているのかを、一緒に整理していきます。
目指すのは、家族全体である前に、一人ひとりの心地よさ
家族へのサポートの目的は、必ずしも今の関係をそのまま続けることだけではありません。この個人的な取り組みを通じて、ご自身にとって本当に大切なものと向き合い直し、自分の人生や家族との関係について、より明確に考えられるようになることも大切な目的の一つです。
その過程で、家族という存在が自分にとってどれほど大切なのかを、改めてはっきりと感じることもあります。関係がうまくいっていない時期には、問題や不満ばかりが目につき、かつての穏やかな時間や、その人と一緒にいることの安心感を忘れてしまうこともあるからです。
一方で、より稀なケースではありますが、経済的な事情、周囲の目、世間体、これまでの家族の在り方など、ご本人にとってつらいものとなっている関係を続けさせている外的な要因が見えてくることもあります。その場合には、家族間だけに原因を求めるのではなく、その外的な要因そのものにも向き合っていきます。
そして、どのような場合であっても、私が家族の誰か一人の判断を後押しすることはありません。「どちらが正しくて、どちらが間違っているか」を私が決めることも、決してありません。「親なのだから何を言っても正しい」「お金を出しているのだから、理不尽な要求でも従うべきだ」――そうした理屈でものごとを捉えることもありません。
大切なのは、家族という関係の中でも一人ひとりの尊厳を尊重しながら、関係全体の調和を図っていくことです。関係をどのように築き、どのような距離感を保っていくか。その答えを決めるのは、あくまでご本人、そしてご家族自身です。私は、皆さんが自分の気持ちや状況をより明確に見つめ、それぞれにとって本当に納得できる形を見つけられるよう、お手伝いします。
よくある質問
最初のセッションから家族全員で行く必要がありますか?
いいえ。まずはそれぞれが個別にセッションを受けることから始めます。
家族一緒のセッションはたくさん行うのでしょうか?
いいえ、おそらくそうはなりません。取り組みの大部分は個別に行われ、それぞれが自分自身の内面の作業を終えると、自然と落ち着いた雰囲気が生まれることがよくあります。複数人でのセッションも可能ですが、あくまで稀なケースです。
複数人でのセッションは料金が高くなりますか?
いいえ。個別セッションと同じ料金体系です。
家族の中の一人だけが、他のメンバーより先に始めることはできますか?
はい、もちろん可能です。他の家族メンバーがこの取り組みに前向きになる前に、一人で始めることもできます。
このサポートは子どもや思春期の方にも対応していますか?
はい。子どもや思春期のお子さんが、片方または両方の親御さんと並行して個別に受けられるケースはよくあります。特に、お子さんに見られる症状が家族のダイナミクスと関連している場合はなおさらです。6歳以下のお子さんについては特に、この年齢で子どもだけのセッションを行うのは実際には難しいため、親御さんへの並行サポートをほぼ常にお勧めしています。
ご家族にとって本当に大切なものを見つめ直す一歩を、踏み出しませんか?
まずはお一人からでも始められます。あなたのペースでご相談ください。
私は、日本とフランスで心理学を学び、フランスで最初に設立された催眠療法の専門機関の一つである Ecole Centrale d’Hypnose Paris にて、国際的に知られるヒプノセラピスト、Dany Dan DEBEIX氏に師事しました。その後もフランス国内の複数の専門機関でさまざまなセラピー技法を学び、現在は催眠療法、心理学、神経科学などを統合したアプローチを行っています。
セラピストになる以前にも、さまざまな分野での職業経験を重ねてきました。こうした幅広い学びと経験を活かし、一つの理論や技法だけに当てはめるのではなく、お一人おひとりの状況を多角的に捉え、個性や背景に合わせたセラピーを大切にしています。
