「あの人のことが頭から離れない」- 恋愛執着(リメランス)から抜け出す
あの人のことばかり考えてしまう。返信が来ないだけで、既読がつかないだけで、ちょっとした視線ひとつで、気分が大きく揺さぶられる。頭では、この執着が自分のエネルギーや時間、心のバランスを消耗させているとわかっているかもしれません。けれど、理解しているだけでは、そこから抜け出すことはできません。
これは意志の弱さではありません。リメランスは、多くの場合、不安型の愛着スタイルと結びついた、無意識の深いところに根ざしたメカニズムであり、意識的なコントロールの及ばない領域にあります。ヒプノセラピーは、まさにこの領域に働きかけることができるアプローチです。
リメランスとは?
リメランスとは、特定の相手に対する、強く不本意な恋愛的執着の状態を指します。繰り返し浮かんでは消えない思考、相手の気持ちが自分に向いていてほしいという強い欲求、そして実際の、あるいは想像上の「相手からの反応の兆し」によって大きく揺れ動く気分の変化が特徴です。
この言葉は、1970年代末に心理学者ドロシー・テノフによって提唱されたもので、いわゆる時間をかけて築かれる安定した愛とは異なる現象を説明するために使われました。リメランスにはしばしば、相手への強い理想化、他のことに集中できなくなる状態、そして相手のわずかな反応のサインへの感情的な依存が伴います。
安定した恋愛的な愛着とは異なり、リメランスは相手についての現実的な理解に基づいていることはほとんどありません。関係そのものよりも、不確実さや「待つこと」によって強められていく傾向があります。だからこそ、関係がプラトニックであっても、不釣り合いであっても、あるいは相手からの反応がまったくなくても、数か月、時には数年にわたって続くことがあるのです。
なぜヒプノセラピーはリメランスに効果的なのか
ヒプノセラピーは、リメランスの状態を維持し続ける無意識のメカニズムに直接働きかけます。
- 繰り返し浮かぶ思考に結びついた感情的な負荷を、無理に抑え込むことなく解除する
- 今のリメランスの状態と、その背景にある愛着スタイル(多くの場合、不安型)との関連を探る
- 相手からの反応に左右されない、内側からの安心感を取り戻す
リメランスから抜け出すためのアプローチ
私は「この問題にはこの技法」というように、扱うテーマに応じてひとつの決まった手法を当てはめる働き方はしていません。それぞれのセッションは、あなたの状況やペースに合わせて複数のアプローチを組み合わせながら、オーダーメイドで進めていきます。あらかじめ決められた画一的な手順ではなく、こうした柔軟でカスタマイズされた進め方こそが、リメランスのサポートを含む私のセッション全体の特徴です。
(セッションで用いている各種メソッドの詳細は、こちらのまとめページでご紹介しています)
具体的には、同じセッションの中で、繰り返し浮かぶ思考を解除し、背景にある愛着スタイルとの関連を探り、新しい感情的な拠り所を築き、そして「待つこと」にともなう身体的な負荷を和らげていきます。
何回のセッションが必要ですか?
必要なセッション数は、リメランスの状態が続いている期間や、その背景にある愛着スタイルによって異なりますが、目標は、長く際限のないフォローアップではなく、妥当な回数のセッションで持続的な変化を得ることです。
よくある質問
リメランスは恋愛と同じものですか?
いいえ。リメランスは不本意な執着の状態であり、多くの場合、不確実さや「待つこと」によって強められます。一方、時間をかけて築かれる愛は、相手についての現実的な理解と、相手からの反応に左右されない安定性に基づいています。
リメランスは自分ひとりの力で抜け出せますか?
可能ではありますが、簡単ではありません。関わっているメカニズムの多くが無意識のものだからです。サポートを受けることで、意識的な意志だけで闘うのではなく、そのメカニズムそのものに直接働きかけることができます。
リメランスは愛着スタイルと関係がありますか?
非常に多くの場合、関係があります。不安型の愛着スタイルは、リメランスの状態に陥りやすくする傾向があり、そのためセラピーでもこの側面を扱っていきます。
リメランスに関するセッションでは、具体的に何が行われますか?
セッションではまず、この執着が今のあなたの感情的なバランスの中でどのような役割を果たしているのかを探ります。その上で、ヒプノセラピーによるアプローチを通じて、相手の反応への依存を解除し、自分自身の内側から生まれる安心感を取り戻していきます。
私は、日本とフランスで心理学を学び、フランスで最初に設立された催眠療法の専門機関の一つである Ecole Centrale d’Hypnose Paris にて、国際的に知られるヒプノセラピスト、Dany Dan DEBEIX氏に師事しました。その後もフランス国内の複数の専門機関でさまざまなセラピー技法を学び、現在は催眠療法、心理学、神経科学などを統合したアプローチを行っています。
セラピストになる以前にも、さまざまな分野での職業経験を重ねてきました。こうした幅広い学びと経験を活かし、一つの理論や技法だけに当てはめるのではなく、お一人おひとりの状況を多角的に捉え、個性や背景に合わせたセラピーを大切にしています。
