社交不安障害(あがり症):ヒプノセラピーによるサポート
人から見られること—たとえそれがごく何気ない場面であっても—が、経験したことのない人には説明しづらいほどの強い不安の原因になることがあります。誰かの前で食事をすること、人前で話すこと、あるいは単に街中で人の視線を感じること—そうした日常のありふれた場面のひとつひとつが、避けたい理由になってしまうことがあるのです。
あがり症とは何か
あがり症(社交不安)とは、社会的な場面で他者から観察され、否定的に判断・評価されることへの、強く持続的な恐れを指します。特定の場面(人前で話す、誰かの前で食事をする、単に見られること)に集中して現れることもあれば、より広い範囲の対人的な関わり全般にまで及ぶこともあります。
こうした恐れは、繰り返されるうちに回避行動として定着していくことが多く、その結果、社会生活や仕事、プライベートな人間関係にまで大きな制約をもたらすことがあります。
なお、日本では古くから「対人恐怖症」という言葉も使われており、実務上はほとんどの場合、社交不安障害(あがり症)と同じ意味で使われています。ただし対人恐怖症には、伝統的に「自分の存在が相手を不快にさせているのではないか」という、外向きの意識が含まれることもあります(自分の視線や体臭が人を不快にさせているのではないか、といった恐れなど)。これは、「自分が否定的に評価されるのではないか」という、あがり症の中心にある内向きの不安とは、視点がやや異なる場合があります。
あがり症にヒプノセラピーが効果的な理由
催眠によるワークでは、以下のことが可能になります。
- 他者の視線や評価に対する過敏な警戒状態の根本にアクセスすること
- 「人前にいること」と「危険」とが結びついてしまっている状態を解きほぐすこと
- 過剰な自己コントロールをせずとも、社会的な場面にいられる力を取り戻すこと
あがり症へのアプローチ
私は、扱うテーマによって技法を使い分けるという方法は取っていません——「このテーマにはこの手法」という考え方ではないということです。それぞれのセッションでは、複数の補完的なアプローチを統合的に組み合わせて用います。(セッションで用いている各種メソッドの詳細は、こちらのまとめページでご紹介しています)
何回のセッションが必要ですか?
必要なセッション数は、なぜ苦手意識があるのか、何が原因かにもよりますが、目標は長く際限のないフォローアップではなく、妥当な回数のセッションで持続的な変化を得ることです。
よくある質問
あがり症は、単なる恥ずかしがり屋の延長線上にあるものですか?
いいえ、違います。恥ずかしがり屋は性格的な傾向ですが、あがり症は、単なる気まずさを超えて、明確な回避行動につながるほどの強い恐れです。
あがり症と呼べるためには、あらゆる社交場面が苦手である必要がありますか?
いいえ、その必要はありません。たとえば「誰かの前で食事をすること」のように、非常に限定的な場面にだけ現れることもあり、必ずしもすべての対人場面に及ぶわけではありません。
あがり症と対人恐怖症は、同じものですか?
実務上は、ほとんどの場合同じ意味で使われています。対人恐怖症は正式な病名ではなく、国際的な診断基準では社交不安障害に含まれる概念です。ただし歴史的には、対人恐怖症は「自分が相手を不快にさせているのではないか」という外向きの意識を含むこともあり、この点で厳密には少し異なる場合があります。
このテーマを扱うセッションでは、何が行われますか?
セッションでは、他者の視線への過敏な警戒状態の根本にあるものを探ります。そのうえで、催眠によるワークを通じて、社会的な場面において、よりリラックスして「そこにいる」感覚を取り戻すことを目指します。
私は、日本とフランスで心理学を学び、フランスで最初に設立された催眠療法の専門機関の一つである Ecole Centrale d’Hypnose Paris にて、国際的に知られるヒプノセラピスト、Dany Dan DEBEIX氏に師事しました。その後もフランス国内の複数の専門機関でさまざまなセラピー技法を学び、現在は催眠療法、心理学、神経科学などを統合したアプローチを行っています。
セラピストになる以前にも、さまざまな分野での職業経験を重ねてきました。こうした幅広い学びと経験を活かし、一つの理論や技法だけに当てはめるのではなく、お一人おひとりの状況を多角的に捉え、個性や背景に合わせたセラピーを大切にしています。




